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え?まだ観てない?世界に誇る映画監督!小津安二郎の代表作・5選

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『七人の侍』の黒澤明と並んで、世界の映画人に影響を与えた監督がいます。それが、小津安二郎です。ド派手な黒澤映画とは異なり、小津映画は地味なホームドラマばかり。ドラマティックな展開も、どんでん返しもありません。淡々と日常の描写を積み重ねて、ちょっとした家族の変化を描くのが特徴です。

なぜ、そんな古臭いホームドラマが世界の人々の胸を打つのでしょうか? ひとつ挙げるとすれば、本音と建て前を使い分ける会話の妙、そして独特の「間」によって表現される侘しさたたずまいにあるのではないでしょうか。

日本人なら見ておきたい小津映画の中から、初めての方にもおススメの代表作を5つ選びました。数々の名作の中から5本に絞るのは、至難の業でした。

 

タイトル横の()は、英語表記です。日本語タイトルと全然イメージが違いますよね? ちなみに、小津安二郎は、ozu yasujiro と表記します。

 

1:東京物語 (Tokyo Story)

 

故郷の尾道から上京してきた老夫婦の周吉とみは、息子夫婦や娘夫婦の家を訪ねるが、相手にしてもらえない。老夫婦を気遣ってくれるのは、皮肉なことに戦死した次男の妻・紀子だけだった・・・変わりゆく家族の関係と、老いがつきつける過酷な現実を、穏やかな色調で描いたドラマ。

 

 

 

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2:秋日和 (Late Autumn)

 

会社の同僚だった三輪の七回忌に参席した間宮田口平山の3人。三輪には美しい未亡人・秋子と、年頃の娘・アヤ子がいた。かねてから秋子を狙っていた3人。3人は、アヤ子の結婚の世話を焼くふりをして、あの手この手で秋子に近づこうとするのだった・・・未亡人をものにしようと、3人のオヤジが立ち回る姿が笑いを誘う。

 

スローテンポながら計算されたセリフの数々。特に3人のオヤジたちの軽妙な会話は、じわじわと笑いがこみあげてきます。

 

 秋日和 ニューデジタルリマスター

 

3:晩春 (Late Spring)

 

大学教授の周吉は、娘の紀子がお嫁に行きそびれている事が気がかりでならない。紀子は、妻をなくして独り身となった父の面倒をずっと見てくれていたのだ。紀子に縁談話を持ち掛ける周吉であったが、父を心配する紀子は結婚を受け入れられないでいた・・・

 

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4:お早よう (Good Morning)

 

子どもたちがオナラ遊びに夢中になっている住宅地。林家の兄弟、はテレビが欲しくてたまらない。両親に直談判するが、相手にしてもらえない。実と勇は、要望を聞き入れてくれるよう、ストライキを決行するのだった・・・冷蔵庫やテレビが家庭に出回り始めた頃の世相を、柔らかなコメディタッチで描く。

 

5:父ありき (There Was a Father)

 

金沢で教師をしていた堀川は、修学旅行中、水難事故で生徒をなくしてしまう。責任を取って教師を辞めた堀川は、息子の良平を連れて故郷の役場で働くことになる。やがて、良平も大学を出て東京で教師となる。「お父さんと一緒に住みたい」という良平に、父は厳しくもあたたかな言葉をかけるのであった・・・親子が互いを思いあう心や、時がたっても続く教師と生徒の交流を、淡々と描いた佳作。

 

まとめ

 

 選外になりましたが、あと3本だけ付け加えさせて下さい。

 

『浮き草』(Floating Weeds)        名カメラマン宮川一夫の撮影が美しい。『大人の見る繪本 生れてはみたけれど』(I Was Born, But...)  無声映画の傑作喜劇。

『秋刀魚の味』(An Autumn Afternoon)    娘をお嫁にやった父の寂しさを描く。

 

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軽妙なやり取りに、洒脱な会話。ドラマティックな展開こそないものの、日本人として大切な何かを思い起こさせてくれる、小津映画。今まで敬遠していた人も、『世界の ozu』に一度挑戦してみてはいかがでしょうか。