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駄作の金字塔、実写映画『デビルマン』を見てみた

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 ※この記事は、約3分で読めます。

今回紹介する映画は、2004年公開の『デビルマン』です。鑑賞した人たちの悪評が飛び交うこの作品、かくいう私もずっと避けていました。

しかし、私は自分に問いかけました。お前は、人を見た目だけで判断するのか? 違うだろう。映画に対しても同じように接するべきじゃないのか? 

心の狭い自分を戒めるためにも、この映画に挑戦する気になったのです。

 

あらすじは・・・高校生の不動明は、親友の飛鳥了の父親が呼び覚ました邪悪な知的生

 命体『デーモン』に合体されてしまう。しかし、強い精神力をもつ明は精神を乗っ取られることなく、デーモンの戦闘力をその身に宿したまま、人間の心をもつ『デビルマン』となった。明は、恋人の美樹とこの世界を守るため、デーモン軍団と闘うことを決意するのであった。

 

 

痛烈な社会批判? 原作が描いていたテーマとは

 

デーモンが人間に乗り移るようになった世界では、人間同士が疑心暗鬼となってしまいます。変わった人間がいたらその人をデーモンと決めつけ、無実でも捕まえてしまう。現代版“魔女狩り”が行われてしまうわけです。人間には、そういった醜い部分・恐ろしい側面がある、というのがこの作品のテーマ。

 

実写映画『デビルマン』は、原作やTVアニメからの改変が散見されます。それでも、辛うじてこのテーマだけは描かれています。とはいえ、原作のエピソードを抜き出し、ただ繋げているだけなので、ストーリーはやや破綻しています。問題点はそれだけではありません。

 

鑑賞に耐えられない軽さ

 

ホストのような端正な顔から放たれる、棒読みゼリフの数々。おまけに主演2人の異常なまでの運動神経のなさ。アクションシーンの迫力のなさは、ミニスカポリスなみである。


矛盾する設定

明「デーモンはなんで合体するんだ?」

了「それ自体が弱い生き物だからだよ」

いやいや。弱い生き物がビル壊さないでしょ。

 

その場にそぐわない、空気の読めないセリフのオンパレード。

主人公・明はくしくも誕生日にデーモンに体を乗っ取られ、デビルマンとなる。そんな異常な体験をした明に、親友の了は、

「ハッピーバースデー、デビルマン」と祝福。

 

ヒロイン・美樹とその家族は、デーモンであると疑いをかけられ、暴徒と化した住民に家の周りを取り囲まれてしまう。そんな絶望的な状況下、美樹の両親の会話は・・・

母「ひとつ聞いていい?」

父「何だ、こんな時に?」

母「あなた、浮気したことある?」

父「ないよ」

母「嘘でもうれしい」

 

 この映画を観るという行為、それは地獄めぐりを体感するようなもの。

 

 

それでもデビルマンが、好きだ!

 

しかし、どんな映画でも必ず見るべき箇所があるもの。よかった所もあります。

 

まずは、明の同級生・牛久(うしく)役の仁科克基の演技。この人は、松方弘樹と仁科明子の息子さんですね。非常に表情がよい。また、子役時代の染谷翔太の演技もおがめます。

 

CGで見せるバトルシーンは、『止め絵 』など見せ方にもこだわっていて、迫力を感じました。

 

ボブ・サップと冨永愛と小錦と小林幸子の夢のコラボ。狂ったデッサンを見ているような気分になり、この世界の終末観を出すのに一役買っています。

 

やはり、他人の評価を鵜呑みにするべきではありません。もしかしたら自分にフィットする作品を見過ごしてしまう可能性だってあります。